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歯周病と全身について

こんにちは1 (27).gif高橋です1 (20).gif

最近は天候や気温が不安定で

体調管理が難しいですね1 (89).gif

インフルエンザの季節も近づいているので

体調を崩さないよう

よく食べてしっかり寝て健康に過ごしましょう1 (118).gif

 

さて、以前「歯周病」について

書いたと思うのですが、

その歯周病が、口の中だけでなく

全身へ影響を与えていることをご存知ですか?

今回はそのことについて書いていきますね。

 

歯周病の予防と治療の最大の目的は

歯が失われることを防ぎ、お口の機能を維持することです

1990年代後半以降、

歯周病が全身疾患や全身の状態に

影響を及ぼすことが明らかになり

全身の健康を守るためにも

お口の健康が重要であると

認識されるようになってきました

歯周病の原因菌によって

歯の周りの組織(歯ぐきや歯を支える骨)に炎症が起き、

深い歯周ポケットが形成されるようになると

歯周ポケットといわれる溝から

体内に侵入した細菌そのものや

細菌由来の病原因子に加え、

炎症の場で作られる物質が歯ぐきの血管を通じて

血液の中に流れ込みます

これが全身の組織や臓器に

何らかの影響を与えていると考えられています

近年、さまざまな研究結果から

歯周病が多くの疾患に影響を及ぼし

その発症や進行のリスク因子になることが

明らかにされています

歯周病と全身疾患との関わり

誤嚥性肺炎

気管に入った唾液中の細菌などが

肺に感染して起こる病気が「誤嚥性肺炎」で

高齢者に多く見られる病気の一つです。

特に要介護の高齢者などは飲み込む力や

咳反射が低下しているため

唾液やプラークが入り込みやすく

誤嚥を起こしやすいです

そのように入り込んだ歯周病の原因菌など

お口の中の細菌が

肺炎を起こしやすくすると考えられています

実際にこの病気の多くの患者さんから

歯周病の原因菌が見つかっています

そのため、高齢者に口腔ケアを行い

歯周病の原因菌などの口内細菌が減少すると

肺炎の発症率も下がるという報告もあります

糖尿病

糖尿病の推定患者数は約700万人と言われていますが

糖尿病には、網膜症、腎症、神経障害、末端血管障害、大血管障害

などの合併症があり

歯周病はこれらに続く第6の合併症と捉えられています

そのため糖尿病患者の多くに重度の歯周炎がみられます

また歯周病の炎症の場で起きる物質のうちある種のものが、

血糖値を下げるはたらきをするインスリンを阻害するため

歯周病患者は血糖コントロールが改善しにくくなります

したがって

歯周病治療を行うことで炎症が治まり

歯周病菌による産生物質の濃度が下がれば

血糖コントロールの改善に影響を与えるといわれています

 

このほかにも、心臓の病気や骨粗しょう症、

女性であれば低体重児出産にも関わりがあると言われています

歯周病を口の中だけの病気と思わず

全身に繋がることを知って

予防・治療をしていただければと思います1 (20).gif

2018年09月26日 11:28|コメント(0)トラックバック

サプルメントと薬の飲み合わせ

消費者庁の調べでは、日本の成人の薬6割りが何らかのサプリメントを

使った事があり、健康のため生活に取り入れている人はかなり多く

さらに高齢者では、ほとんどの人がサプリメントと医薬品を

併用しているとされています。

しかし、体によかれと思って飲むサプリメントが

逆効果となるケースもあるようです。

サプリメント情報センター理事の宇野氏によると

「医薬品とサプリメントとを重複摂取すると、

思いもよらない危険な作用が潜んでいることがあります。それなのに、

患者さんは、(自分の飲んでいるサプリメントは、ナチュラルで安全)と

思い込んでいて、飲んでいることを医師や薬剤師に伝えていないケースが多い」

では、いったいどんな組み合わせが危険なのか、宇野氏が

具体例を挙げていましたので、参考にしたいと思います。

セサミンと降圧薬

ゴマに含まれるセサミンは、強い抗酸化作用を持ち生活習慣病の予防や

アンチエイジングなどの効果が期待されますが、血圧を低下させる可能性もあります。

つまり、降圧薬と併用すると予想以上に血圧を低下させてしまうおそれがあり。

DHAと糖尿病治療薬

魚の脂肪に多く含まれ、中性脂肪やコレステロールの低下、動脈硬化予防などが

期待されるDHAですが、同時に血糖値を上昇させる可能性を秘めています。

糖尿病治療薬と併用すると効果を弱めてしまうおそれがあるので、

血糖値を注意深く監視する必要があります。

EPAと抗圧薬

EPAも魚の脂肪に多く含まれる物質で、主に血液に働きかけ血栓を防いで

血流を潤滑にする効果が高いといわれていますが、血圧を下げる可能性が

指摘されたいます。

コエンザイムQ10とワルファリンカリウム

美容にいいといわれるコエンザイムQ10は強力な抗酸化作用を持ち

動脈硬化の危険因子と言われる(悪玉)コレステロールの抑制や、

生活習慣病予防が期待されます。しかし、血液凝固を促進する可能性があり

慢性心不全などの患者に処方されるワルファリンカリウムという薬の

抑制効果を弱めてしまうおそれが指摘されています。

ローヤルゼリーとワルファリンカリウム

5大栄養素を豊富に含みアンチエイジング、疲労回復など効果が期待されて

いますが、血液凝固を増強することがあり、青あざ(紫斑)の発生や

出血の可能性がたかまります。

ナットーキナーゼと抗血栓薬

納豆のネバネバに含まれるたんぱく質分解酵素は血液をサラサラにすると

いわれ心筋梗塞、脳梗塞、生活習慣病の予防に効果が期待されていますが、

紫斑や、出血が現れる可能性が高くなってしまいます。

ギャバ(GABA)と降圧薬

チョコレートやココアの原料であるカカオに含まれているギャバ

不安軽減、痙攣予防、鎮痛軽減を持つ可能性があるとされています。

しかし血圧が下がりすぎるおそれがあります。

アルギニンと降圧薬

うなぎやにんにくに含まれ精力剤としても使われ、免疫力強化、筋肉増強など

期待されていますが、血圧の下がりすぎに注意

 

サプリは薬じゃない と思って医師や薬剤師に申告し忘れると、思いもよらない

副作用が現れてしまう可能性があるみたいです。注意したいものです1 (97).gif

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018年09月21日 20:44|コメント(0)トラックバック

歯に良い飲食物

皆さんこんにちは1 (64).gif

今回は歯を丈夫にしたり、歯に良い飲食物についてお話ししていきます。

「歯や骨を丈夫にする食べ物、飲み物」というと、一般的にはカルシウム(Ca)を多く含む小魚類や牛乳などの乳製品を想像される方が多いと思います。それらを指す場合が多いのも事実です。

しかし、これらの食品を心掛けて食べたり飲んだりすることはいいことなのですが、それだけでは栄養素として身体に取り込まれません。

カルシウムはリン(P)と化合されることで身体に吸収されますので、リンも摂取しなければならないのです。

さらに、カルシウムとリンの結合を促進するためにはビタミン類も必要です。

総合して考えると様々な種類の食べ物を好き嫌いなく食べることが重要であると考えられます。

歯を丈夫にする食べ物はこちら↓

カルシウム・・・歯の石灰化を助けます

ひじき、チーズ、シラスなど

リン・・・歯の石灰化を助ける

お米、牛肉、豚肉、卵など

良質なたんぱく質・・・歯の基礎をつくる

鯵、卵、牛乳、豆腐など

ビタミンA・・・エナメル質の土台をつくる

豚肉、レバー、ほうれん草、人参、バターなど

ビタミンC・・・象牙質の土台をつくる

ほうれん草、みかん、さつまいも、キャベツなど

ビタミンD・・・カルシウムの代謝を助ける、石灰化の調整をする

バター、卵黄、牛乳など

これらは歯が作られる幼少期にのみ効果があり、すでに生えてしまった歯に対してはあまり効果が見られません。

 

ここからは大人の方にも効果のある飲食物についてもお話ししていきます。

キシリトールには虫歯予防の効果があるのは以前のブログで書いたので、皆さん知っていますよね。

ガムであったりタブレットであったり、最近はキシリトール配合のチョコレートまで販売されています。

他にも虫歯予防に効果的なのがカテキンやフッ素を含む日本茶です。

カテキンは抗菌作用に優れ、虫歯菌の増殖を抑える効果ががあります。

ウーロン茶や抹茶、煎茶、ほうじ茶などに含まれるポリフェノールは歯垢の発生を抑える効果があります。

食事中や休憩中の水分補給を砂糖たっぷりのジュースではなく、お茶に変えるだけで虫歯予防できますよ!

 

他にも食べるだけでお口の中がきれいになる食べ物があります。

それはずばり!繊維質の多い食べ物です。

便秘予防にも効果がありますが、実はお口の中をきれいにしてくれるのです。

人参、ごぼう、レタス、セロリ、キャベツなど繊維質の多い食べ物は「直接清掃性食品」とも呼ばれます。

ある程度硬さがあり、飲み込むために何回も咀嚼する必要がありますので、それらの食品を噛むことで歯や粘膜の表面が清掃されます。ザラザラした繊維質が歯や粘膜の表面を機械的に洗い流してくれますし、唾液の分泌促進や顎の発達にもつながります。

 

キシリトール以外にも、こんなに歯に良い食べ物があったんですねicon_eek.gif

お食事の際にぜひ取り入れてみてください1 (97).gif1 (90).gif

2018年09月08日 18:29|コメント(0)トラックバック

オーラルフレイル

暑さも落ち着き、だいぶ過ごしやすくなってきましたが

立て続けの台風で気温も寒暖差が激しいので

体調壊したりしてないですか?

9月に入り秋の味覚も楽しみな季節ですね1 (34).gif

栄養、運動、社会参加は健康長寿の3本の柱と言われています1 (125).gif

十分な栄養が取れ自由に出歩くことができ

社会との豊かな関わりを続けてこそ健やかに年を重ね、

生涯、人生を楽しむことができます。口は食べ物の入り口、息の出入り口。

栄養や呼気、吸気を取り込む。

口の機能は生命と直結しています。

話したり、表情を作ったり、社会参加に不可欠な

コミュニケーションにも、口の働きが欠かせませんよね1 (44).gif

 

今回は、お口の中の症状の1つ。

オーラルフレイルについてお話したいと思います1 (45).gif

まずは、「フレイル」の意味ですが

日本語で言うと❝虚弱❞になります。

高齢者が身体だけではなく社会性も精神性も弱まっていくことを指しています。

とは言っても“健康と要介護(状態)の中間”であり

機能を戻せる段階と位置づけられていますicon_smile.gif

次に、“オーラルフレイル”ですが

これはフレイルに先駆けて、口まわりのささいな衰えと

呼ばれる食べこぼしや、むせなどが見られるようになります。

それがオーラルフレイル(口の虚弱)でフレイルの前段階で見られる現象になります。

実際、どんな症状なのか…

こんなお口の変化があったらオーラルフレイルかも1 (45).gif1 (45).gif

・発音がはっきりしない

・食べこぼしが増えた

・わずかにむせることがある

・噛めないものが増えた

これらを放置してしまうと全身の筋肉や

心身の活力の衰えが進み

要介護状態となるリスクが高まります1 (70).gif

オーラルフレイルを知ることで健康寿命を延ばすことができます1 (33).gif

ところで8020はご存知ですか1 (125).gif1 (52).gif

日本歯科医師会では、高齢になっても豊かに楽しく過ごしていただくために、

いつまでも自分の歯で、自分の口から食事をとることが最も大切なことであると考えて、

診療所や地域におけるいろいろなお口の健康を保持・増進する活動によって8020運動を推進しています。

8020達成率は、運動開始当初は7%程度(平均残存歯数4~5本)でしたが、

厚生労働省の調査(2005年(平成17年)歯科疾患実態調査)では、

80歳~84歳の8020達成率は21.1%で、85歳以上だと8.3%にまで伸びました。

また、厚生労働省の「健康日本21」では中間目標として8020達成率20%を掲げましたが、

2007年(平成19年)に出された中間報告では、それを上回る25%を達成しました。

その後、2017年6月に厚生労働省が発表した歯科疾患実態調査(2016年調査)では、達成者が51.2%となりました。

80歳になっても美味しく食事をするために1 (63).gif

オーラルフレイルについても、症状を改善するための

お口の中の体操など様々なものがありますので

少しでも気になることがあれば、すぐにかかりつけの

歯科医院に行くことをお勧めします1 (79).gif

 

2018年09月05日 13:34|コメント(0)トラックバック

糖尿病と歯周病の関係

糖尿病と歯周病は・・・1 (82).gif

関係がなさそうな病気ですが、とても関係が深いことを知ってますか?

糖尿病は、生活習慣病の代表的な病気です。

血糖コントロールの悪い状態が続くと、「糖尿病網膜症」「糖尿病性腎症」「糖尿病神経障害」

「動脈硬化」などの合併症が起こり、命を脅かすような脳梗塞や心筋梗塞などにとながる恐れがあります。

歯周病は、歯周病菌の感染による口の中の病気(歯周組織の慢性炎症)ですが、歯周病菌が全身に関わる

ことで歯周病も糖尿病の合併症の一つと言われています。

ところが、最近さまざまな研究から歯周病は糖尿病の合併症の一つということだけではなく、血糖コントロール

にも影響すると指摘されています。

糖尿病になるとからだにさまざまな変化が起こり、口の中の環境も変えてしまいます。

①口の中が渇くため、唾液による自浄作用が低下し、口の中に細菌が停滞する。

②唾液中に糖が含まれるため、歯垢(歯の表面に付着する細菌の塊)が増殖する。

③からだの免疫力が低下するため、歯周病菌に感染しやすい。

④血流障害や代謝異常が生じて組織の修復力が低下するため、歯周病が進行しやすい。

このように、糖尿病になると歯周病になりやすく、さらに歯周病になると重症化しやすい

と言われています。

歯周病が血糖コントロールを悪化させる?

近年、歯周病の進行により生産されるTNF-αという炎症性のサイトカインが血糖コントロールに

悪影響を及ぼしていると言われています。

歯周病が進行すると、歯と歯ぐきのすきまが深くなり歯周病ポケットが形成されます。

歯周ポケットのなかは、酸素がなくても増殖できる細菌(嫌気性菌)にとって居心地の良い場所です。

嫌気性菌である歯周病菌はポケット内で増殖します。そして内毒素を放出して歯周組織を破壊していきます。

この内毒素は、歯周ポケット内の歯肉面から血管内に入り込んで、TNF-αという炎症性のサイトカインの産生を

促進します。このTNF-αは、インスリン(血糖値を下げるホルモン)の働きを悪くするため、血糖値が高くなる

と言われています。

このように、歯周病が血糖コントロールを悪化させると推測され、血糖コントロールの不良は歯周病の進行に

つながり、お互いに悪化させる悪循環に陥ると考えられています。

お口の中の管理を怠らず、生活習慣の改善に努めましょう。

 

 

2018年09月03日 13:10|コメント(0)トラックバック
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